黒ヨリ黒ク
どうして、って。初めから話しだすと長いかな。この血の量?撃たれたから。うん、日常茶飯事。警察は呼ばないで、苦手だから。連れてきたって、何も出来ないし。病院?うん、当てはあるよ。表じゃないけど。銃で撃たれた傷なんて、教科書に載ってないし。血?そろそろ止まったね。締め付ければ止まるんだよ、簡単でしょ?放っておくと壊死しちゃうけどね。ああ、俺?日本人だけど。名前?捨てた。昔は、ツナって呼ばれてた。缶詰みたいでしょ。昔はね、よかったけどね・・・。
これからどうするかって?帰るしかないよ。家?うーん、まぁそんなようなもの。この近く?遠くは無いね。でも、もうそろそろかな?何がって・・頃合。迎えに来てくれるから。家族?人はそう呼ぶけど、血は繋がっちゃいないよ。200人くらいいるし。あ、笑った。嘘じゃないって。俺の名前?沢田綱吉。和風でしょ?今は、十代目って呼ばれてる。ヤクザみたい?まぁ、そんなようなものかもね。
迎えが来たね。あ、この子?道で拾ったの。え?猫と話すなって?いいじゃん。これくらい。人相手じゃ、大変でしょ。後で片付けるの、気が滅入るし。連れてってもいい?え?駄目?いいでしょ、リボーンのけち。生き残ったんだから、ご褒美くらいいいじゃない。金ならいくらでもやる?・・あのね、知ってるでしょ?俺が、ずっと欲しいもの。・・分かった、この猫は諦める。
じゃあまたね、え?俺のこと?うん、早く忘れて。明日、死ぬかもしれないし。